クレイジー×クレイジー

(暗がりで日記を書き綴る)

……これは、やはり明るい時間に書くべきか


(分かってる事を、当たり前の事として微笑みながら書き綴る)

寝息が聞こえる自分の部屋で
寝息の主を見て、見なかったことにする

同居人の黒い奴が寝ている所定の位置に
他の人物が今日は寝泊りしている


『闇の城』の主と相棒
…何故人の部屋で、しかも黒い奴の場所を奪い寝ているのかは分からない
おまけといわんばかりに本の山に相棒の姉まで寝ている始末



(薄暗い部屋で、かちゃりと外した眼鏡を、冷静に拭きながら考える)

…なんだコレは
……黒い奴は何処に消えた？

…悩むだけ、無駄か…

(少しだけクリアになった視界で改めて見回す)


真っ白のデカクッションに背を預け
コヨーテ・狼姫の頭を撫でる

真っ黒いデカクッションを食い千切るんじゃないかという勢いで噛んでる相棒
その相棒に齧り付いてる闇の城の主
本の森の中で殆ど無呼吸な寝息を立てる相棒姉

……これはコレで、平和的なのだろう
あの黒い奴がニヤニヤと面白がって
…俺を観察していない環境も、大分久しぶりだ

日常的に話をしたりしないが、こちらを見ているのは…知っている
俺の周囲は自由人が多いな…羨ましい、限りだが





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数日後
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今日は今日でまた賑やか
…数日に1度、俺の部屋で本の山を掻い潜り
枕投げならぬクッション投げが行われる

背を預けるデカクッションではなく…
黒い奴発案の『ひゅぷのす印のクッション』
投球用にと相棒と姉が裁縫したと言うあたり
それが目的だったんじゃないかと…疑って止まない


「へへ、あと一撃受けりャあKO！寝ちまいなァァ！」

ルールは簡単、規定数ぶつけられたら負け
その場で戦線を離脱しなければならない
…何故、もっと広い部屋でやらないのｋ

「(頭の上をクッションが跳ねる)………眼鏡に、当たったらどうしてくれる…」

眼鏡を庇い、この日記を綴っていたがそれが仇となった
狙われ当てられ反撃するために、近くのクッションを掴んでいた

「知らねェなァ！だが…もしもの時は修理するから任せろｙ…」
ぼふっと、顔面に直撃
同時に後から３球同時に直撃
「てめェら…明日は覚えてろよ……おやすみ！」


…出来れば、もう少し広い場所で繰り広げてほしい模擬戦闘だ
だが…やたらと賑やかな、夜はまだまだ終わりそうにない……