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いつかあの空へ…

TWの片隅で不定期に更新予定。ある獅子の記録…。

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影を穿つもの


今日もまた、分厚い本の1ページを緩と捲る
真夏の太陽は、相変わらず眩しいが
夜になって見える星空が綺麗なので、大人しく我慢している


……まぁ、日陰に移り
日陰で本を読めば良いだけの話なのだが……
もう少ししたら、遺跡島の冒険があると聞いているから
…声が掛かるまで、当日までは自室で本を読んでいても
特に問題はないだろう

……水着の準備は、一応しておいたし
この日差しが途切れたら………新しい本でも、探しに行きたい気がする







※※※※※※※※※※※※


(影で蠢くのは、『白』に映る灰の影)
(闇は友、『白』は空蝉)

(『白』の名は、見知らぬ世界の見知らぬ著者が残したモノだった)
(影の内にも『白』は存在する)
(それは『白』であり、『白』ではない)
(―――……しかし、『黒』でもない)

※※※※※※※※※※※※



『ん?……てめェが読書してねェなんて珍しいな』
スピカを連れた同居人が、白々しく此方を見ている
「読むだけが、全てではないからな」
いつもは本の山で埋もれている机を引っ張り出し
筆記用具も準備して、紙を並べる
「…それに、何となく題材が浮かんだ」


【(シャドウ・シャドウ)】

ポツリと書かれた文字を見て、同居人が首を傾げる
そして、スピカを器用に頭上に乗せて、そいつは言う
『…何の本、読んだんだよ。どうしたら影なんて言葉が出るんだ?』
「……分からない」


本当に、良く分からなかった
……ただ、言葉がポンと湧いて出てきたような気がして
「でも、物語は不意に生まれるものだろう?」

……それでも、疑問を抱かず書き始められたのはきっと
『物語自体』が勝手に動き始めたからだろう
俺は物語を記すだけ、物語が道を選ぶことだろう
『お前の手に何か星霊が遊びに来てるのかもな』
「……何を言ってるんだ、」
『なァに、悪いモンじャねェよ。ちィとばかり悪戯好きの『物語』なんだろ』
「…………手を、貸せば良いのか」







※※※※※※※※※※

(飛べない鳥は、空を裂く程強い願いを持った)
(臆病な狼は、兎の様にか弱く静かに生きたいと願った)

(闇はそれを捻じ曲げる)

(鳥は燃え上がる爆炎の使者となり空を焦がし)
(狼は自らの『兎(心)』を食い潰して、獅子へ成り上がるべく嘲笑し続ける)

(『白』は『黒』に成り代わる)
(思い描く夢を、『黒』のキャンバスに塗りたくりながら)

※※※※※※※※※※
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プロフィール

HN:
ゼルガ
性別:
男性
趣味:
読書
自己紹介:
弓を愛する、白い獅子。
帽子を愛する、白い狼。
同居人、黒い犬。


白の住人は、気まぐれ無口
…喋るときは良く喋るケド。
唯一共通するのは
両耳の一対の紅いカフス。

黒の住人は、気まぐれ遊び
戯れに、そして、戯れに。


狼姫荒哉(銀雨)
狼姫兎斗(サイファ)

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