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いつかあの空へ…

TWの片隅で不定期に更新予定。ある獅子の記録…。

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どうしてそうなった

黒の同居人に負けないくらい出かけたある日の話。


ディノスピリット(誓夜)と夜の辺境の地を駆けた日の深夜から早朝。
時間帯で言えば、同日。

本当は辺境の地でキャンプでもしようかと思っていた。
夜の雨に打たれていなかったら、尚更。
ぐっしょり濡れた服を引きずって、仕方ないから戻ってきた、が、正しい。
部屋の扉を開けた時、突然視界をさえぎられた。
仄かに石鹸の匂いがしたので、
これがタオルである事は、すぐに気がつく事になる。
「……起きてたのか?」

「バァカ、遅せェよ。本の虫のお前が室内いねェから、心配しただろ!」
暗がりの中で、金色の光が2つ、こちらを見ている。
その光の傍で炎が揺らめいてが見えた事で、
そこに黒の同居人が居る事を認識した。
本人の顔は見えないが、バルカンが肩上にいるのは、分かる。

「誓夜と、約束していたのでな…」
「その誓夜は、満足してたかよ」
黒の同居人はそれだけ問うて、問答無用で頭をわしゃわしゃしてきた。
そこまで濡れている覚えは特に、ないんだが。
そこまで……子供でも、ないんだが。
「……嬉しそうにしていた。星も、空も、綺麗だった」
「そーかよ。ま、バルバの群れに襲われなくてよかッたな」
俺の答えを聞いて幾分か納得したようだが、手は止めない。
「…あとは自分でするから、その、」
「お前そのまま自然乾燥で誤魔化すだろ、雨の匂いに黄昏るのはバレてんだぞ」
「(…………ま、看病されてェなら、話は別だけどな)」
黒の同居人の言う事は実際正しくて、反論出来なかった。
そのまま暫くおとなしく、わしゃわしゃされていたが
一部、笑いを気配を感じて、何とも言えない気分になった。


「……何か、言いたげだな」
「べーつーにィー?俺、余計な事をしたかと思ッてなァー」
棒読み気味の返答に、なんとなく予想がついた。
「その気遣いの方が、余計だ」
それでも俺の行方を心配してくれた様だから。
あとで感謝の言葉の一つは、返しておくが。
「へへ、そーかよ」
俺の表情でも予想したのか、
その後暫く、同居人の忍び笑いが収まらなかった。
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プロフィール

HN:
ゼルガ
性別:
男性
趣味:
読書
自己紹介:
弓を愛する、白い獅子。
帽子を愛する、白い狼。
同居人、黒い犬。


白の住人は、気まぐれ無口
…喋るときは良く喋るケド。
唯一共通するのは
両耳の一対の紅いカフス。

黒の住人は、気まぐれ遊び
戯れに、そして、戯れに。


狼姫荒哉(銀雨)
狼姫兎斗(サイファ)

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