『call me』

１２月２４日。
雪の日。思い出の日。


少し懐かしさに浸りたくて。
…ホンの少し、雪道を歩いた。

足跡を残して、それだけでも充分満足だった。
あの丘で、少し間近なリヴァイアサンを見られたし…
やはり、それだけでも、満足だった。


…少し足を止めて、丘へやって来た数人の話を聞いていたが
旅団や自宅の引き籠もりとはまた違う、別の次元がそこにあったな。
……今度、料理の本でも少し読み漁るとしよう。
…料理をするかどうかは、定かではない、のだが…
料理系の知識に頓着した事も、ないが……まぁ、少しだけ、な。

ホンの少し外に出てみるだけで、知らないものが沢山ある。
来年は、もう少し外の世界に目を向けて見たいものだな。
…………とりあえず、料理系の本に、満足感を、覚えるまでは保留、なのだが。






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「なァ、白いの」
『……なんだ』
「今日はすげェ軽そうな本見てるけどそれ何の本だ？」
『…秘密、だ』
「ふーん…ま、何でも良いんだけどな」

黒の同居人は、また、無意味にこちらを見ている。
その視線を、今日もまた、静かに回避し続ける。